国立がんセンターのWebサイトで、「免疫療法 まず、知っておきたいこと」が紹介されています。
日本再生医療学会のWebサイトでも、「日本再生医療学会より、国民の皆様へのお知らせとお願い」で、以下のように注意を喚起しています。
1 さい帯血※や脂肪細胞のように、他人から採取した細胞を移植する行為
1 日本再生医療学会の認定医が勤務していない機関での細胞を移植する行為
1 その他、安全性確保法に基づいて実施していることが確認できない行為
これらの注意喚起は、安全確保がされている免疫療法かどうかに対するものであり、免疫療法そのものに対する疑義ではないということを意識していただきたいです。
そして、適切な免疫療法を安心して選択できるように、セカンドオピニオンを得られ医師の紹介も含め、正確な情報を患者さんやご家族が得られる「仕組み」が必要だと思います。
研究が進むにつれ、安全性も高く有効な治療法がどんどん増えてきます。対応できるがん種類も拡がってくるでしょう。
海外では、手術、抗がん剤、放射線、に並ぶ、第4の治療法として免疫治療は認識されているところも多いです。
日本でも、第4の治療法として認知されているところに、今年の夏、逆風が吹きました。
厚生省が免疫細胞の無許可加工をしていた加工施設及び医療機関の存在を明らかにしたのです。
このことが世間に与えた影響は非常に大きいです。
正規に許可された加工施設か否かにかかわらず、免疫療法全体に疑いの目が向けられるようになったからです。
「Carlyからお役立ち情報」でも何度か取り上げた「がん治療拠点病院」に対しても、厚生省は全国で434の病院に対して免疫療法の実態調査を行うとしています。
しかし、この「がん治療拠点病院」は、許可も受けており、設備や体制が整っているので問題性は低いのではないでしょうか?
それよりも、設備や体制がそれほど整っていない医療機関で免疫療法を行うところに問題が起こり得えます。むしろ、実態調査は、「がん治療拠点病院」よりも、これらの医療機関に対して行う必要があり、それが有益であるはずです。
また、現在は保険診療の対象外となっている治療法の中にも、今後は保険対象になる治療法もあるでしょう。これらを普及していくためにも、国としての「仕組み」の必要性を感じます。
そして、医療機関の実態調査により「不適切な治療」を明らかにして撲滅し、患者さんやご家族が「正確な情報を得られる仕組み」によって十分に治療法を理解した上で、適切な選択肢を得られる社会が理想です。